-「聖茶」と呼ばれる「安茶黒茶」-
中国茶道の中で特別な地位を占める茶
一般の方にはほとんど知られていない「安茶」、
安徽省キーマン県で作られる黒茶です。
このお茶の魔法は熟成にあります。 熟成すればするほど味わいがまろやかになり、消化を助け、体を温めるお茶とも言われています。
香港では安茶を飲むことが流行し、清朝末期から中華民国にかけて、高級飲料とされていました。「下の階でプーアールを飲み、上の階では安茶を味わう」という諺さえありました。
−茶葉生産における貴重な宝茶−
明代末期から清代初期にかけて誕生したお茶で、約300年間親しまれていたお茶でしたが、戦争により、1946年を境に生産が途絶えていました。
1984年に復刻願う要請により、約半世紀後の1985年に生産を再開(成功)し、7年後の1992年、国家農業部試験センターにおいて、やっと認可が下りました。 翌年の1993年、ついに市場に復帰し、安茶のブランドが確立しました。 実に47年の時を経て、人々の強い意思により蘇らせた聖茶といえます。
外観は、葦の葉を敷いた竹籠に、緻密で均一に整えられた茶葉が入っています。 茶葉の色は黒褐色で潤いがあり、香気は高く檳榔香を持ち、独特な風味と深い味わいで知られています。
1928年嶺南地方で疫病が発生し、載(漢方医)は安茶を薬として用い、多くの患者を治癒させたそうです。
2014年に国家地理標識保護製品として承認され、「安茶制作技芸」は第4期省級無形文化遺産となっています。
-安茶のオークション-
貴重なロット251が最終的に88万香港ドルで落札されました。
※永年の改良を経て、安茶は市場で大変人気を博し、特に熟成された茶は香港世弘や北京嘉徳などのオークションで1斤(500g)あたり、数十万元(数万円)の高値で取引されています。